2024年04月24日

忌引き休暇中に給料はもらえる?対象となるルールや取得できる日数などをご紹介

ハテナが浮かぶスマホを持つ男性

家族や親族などの近しい人物が死亡した場合、葬儀や手続きなどにたくさんの時間を要します。多くの企業では、この場合に休暇を取得できる「忌引き休暇」を導入していますが、忌引き休暇の取得中には給料が発生するのでしょうか。

この記事では、上記の疑問にお答えしながら、忌引き休暇の対象として認定される関係性の範囲や、取得できる日数の目安などをご紹介します。

忌引き休暇とは

休暇届けとペン

そもそも「忌引き」とは、家族や親族が亡くなった際に、一定期間にわたり喪に服すことを意味する言葉です。忌引き休暇は、家族や親族が亡くなった際に執り行われる葬儀・通夜に出席するため、あるいは役所関連の手続きを行う時間を確保するために、会社が従業員に与える休暇制度のひとつになります。

会社によっては「喪服休暇」など名称が変わる場合がありますが、休暇の内容は変わりません。また、結婚式などの喜ばしい出来事の際に同様の休暇を取得できるように、「慶弔休暇」という名目で休暇を与える会社も存在します。

多くの会社では三親等までが忌引きの対象として認定される

一般的に、忌引き休暇はすべての故人に対して適用できるものではありません。基本的な対象者は本人から見て、三親等までの親族です。三親等とは、具体的に以下のような関係性の親族を指します。

 

<三親等に該当する主な親族(本人から見た関係性)>

  • 両親
  • 子ども
  • 兄弟、姉妹

  • ひ孫
  • 祖父母
  • 甥、姪
  • 叔父、叔母

 

故人がその他の関係性の場合、忌引き休暇を取得できるか同課は会社の方針により異なります。会社によっては友人・知人、遠い親戚、会社関係者の死亡に伴い、忌引き休暇の取得を認める場合もありますが、一般的とはいえません。

忌引き休暇で認定される休暇の日数は故人との関係性により異なる

休暇として認定される日数は、本人が故人が生前どのような関係性をもっていたかによって異なる可能性が高く、具体的には以下のとおりです。

 

<忌引き休暇で取得できる日数の目安>

  • 配偶者…7日~10日前後
  • 両親や子ども…5日~7日前後
  • 兄弟姉妹、祖父母、配偶者の父母…2日~3日前後
  • その他…1日程度

 

上記はあくまでも目安であり、法律によって定められた期間ではありません。詳細は就業規則に明記されているため、忌引き休暇の取得日数を見誤らないように、あらかじめ確認しておきましょう。

移動時間は原則として休暇期間には認定されない

斎場などへの移動時間に関しては、原則休暇期間の一部として認定されません。たとえば忌引き休暇を取得できる日数が1日に限られ、斎場が離島などの遠方にある場合、移動時間だけで忌引き休暇を消費する場合あります。こういったケースでは事前に直属の上司などに相談し、忌引き休暇を延長できるかどうか判断を仰いでください。

忌引き休暇による給料発生の有無は会社の方針次第

給料袋と電卓

忌引き休暇で気になることといえば、休暇の取得中に給料を受け取れるかどうかではないでしょうか。結論からいえば、忌引き休暇中に給料が出るかどうかは会社の方針次第となります。忌引き休暇と給料に関する関係性は、以下のパターンのいずれかによって決まるケースが大半です。

 

<会社が示すことが多い方針の一例>

  • 有給休暇と同様に忌引き休暇取得中も給料の支払いが認められる
  • 原則欠勤扱いとなり給料が支払われない
  • 忌引き休暇の代わりに有給休暇を取得するよう求められる

 

詳しくは後述しますが、忌引き休暇の代わりに有給休暇を取得する場合は、通常の有給休暇と同様に所定の給料が発生します。

忌引き休暇は法定外休暇として扱われる

忌引き休暇は、法律によって義務付けられた「法定休暇」ではありません。会社側が自由に設定できる「法定外休暇」のひとつとして扱われることが基本です。休暇に関するルールは会社側が自由に設定できるため、給料の有無や取得できる日数などにはばらつきがあります。

忌引き休暇の取得が困難な場合は有給休暇の申請がおすすめ

会社が忌引き休暇を導入していない場合でも、有給休暇なら所定の手続きを踏むことにより取得するチャンスがあります。友人・知人の葬儀に参列したい場合など、故人が忌引き休暇の対象外にあたる関係性の場合も、有給休暇を取得すれば会社を休んで喪に服せます。

忌引き休暇と有給休暇の違いとは

先述したとおり、忌引き休暇は会社側が設定する義務のない「法定外休暇」ですが、有給休暇は所定の条件に沿って付与することが義務付けられた休暇です。当該従業員が有給休暇の取得条件を満たしている場合、原則として会社側が休暇取得の要請を拒否することができません。

一周忌法要などで忌引き休暇を取得することは困難

「一周忌」「三回忌」などの法要に関しては、忌引き休暇を適用できない可能性が高いです。どうしても法要に参列したい場合は、法要の日程そのものを土日などに変更する、有給休暇を取得して参列するなどの対策をとりましょう。

忌引き休暇の取得に関するマナー

就業規則

忌引き休暇の取得前から取得後に、守るべきマナーがいくつかあります。不幸は突然にして訪れることが多く、忌引き休暇も緊急で取得せざるを得ないケースがほとんどです。上司や同僚に職務上のしわ寄せが行く可能性もあるため、以下のマナーを守りましょう。

 

<忌引き休暇の取得に関するマナー>

  • あらかじめ就業規則を確認する
  • できるだけ早く担当部署に申請する
  • 忌引き休暇取得前に引き継ぎを行う
  • 忌引き明けには菓子折りを持参する慣習がある

 

それぞれを簡潔にわかりやすく解説します。

あらかじめ就業規則を確認する

忌引き休暇は法定外休暇に該当するため、取得できる日数や給料の有無などは、会社が独自に定めた就業規則によって取り決められています。とくに取得できる休暇の日数を誤解すると、無断欠勤扱いになる恐れがあるため、あらかじめ就業規則を確認しましょう。

できるだけ早く担当部署に申請する

忌引き休暇の取得は緊急を要するため、できるだけ早く申請してください。口頭もしくは電話で直属の上司や担当部署に申請し、詳細はその後のメールで伝えるのがマナーとされています。

忌引き休暇取得前に引き継ぎを行う

忌引き休暇取得前の引き継ぎは、たとえ急いでいたとしても正確に行わなければなりません。クライアントとの打ち合わせや商談をキャンセルする場合は、先方への連絡も必要です。ただし、忌引きの連絡は本人ではなく、上司や同僚が代わりに行うことがマナーとされています。

忌引き明けには菓子折りを持参する慣習がある

忌引き休暇後には、菓子折りを持参して挨拶する慣習があります。上司や同僚から香典や仏花が寄せられた場合は、これとは別に香典返しも忘れずに用意してください。

まとめ

忌引き休暇とは、原則として三親等以内の家族や親族が亡くなった際に取得できる法定外休暇のひとつです。給料が発生するかどうかや、取得できる日数は、会社の取り決めに従わなければなりません。休暇取得前後のマナーも確認したうえで、できるだけ早く申請してください。

株式会社Office Followでは、忌引き休暇に関する就業規則の作成・改定のコンサルティングサービスを実施しています。従業員のロイヤルティ向上を図るためにも、この機会に忌引き休暇の導入や改定をご検討ください。