2024年02月01日

企業の就業規則はなぜ必要?就業規則の作成手順や注意点

就業規則のブロック

企業を運営していくためには、就業規則が必要です。しかし、就業規則の作り方がわからない、なぜ作らなければならないのか?作らないと何か問題があるのか?などと感じている経営者の方も多いでしょう。

この記事では、会社の就業規則とは何か、なぜ就業規則を作成するのか、就業規則作成の手順やルールについて解説します。

就業規則とは?

就業規則とは、職場で働くためのルールをまとめたものです。

就業規則には、「服務規律」という職場のルール、マナーを定めたもの、「労働条件」という給与や労働時間などの待遇を定めたものがあります。このような就業規則が明文化されていると、従業員が働きやすくなり企業側としてもルールを決めることで会社運営がしやすくなります。

ここでは、就業規則とは具体的にどのようなものなのか、何のために作成するのかについてご説明しましょう。

就業規則に記載する内容とは

就業規則には、具体的にどのようなことを記載すればよいのでしょうか?

就業規則に記載する内容については、労働基準法第89条で明確に定められています。記載内容は、必ず記載すべき「絶対的必要記載事項」と、会社ごとに任意で取り決める「相対的必要記載事項」があります。

それぞれの記載内容は、以下のとおりです。

<絶対的必要記載事項>

  • 勤務形態・労働時間
  • 労働賃金
  • 退職に関する取り決め

<相対的必要記載事項>

  • 退職金
  • 賞与や一時金
  • 安全衛生
  • 職業訓練
  • 災害補償
  • その他

取り決める内容として、法律で決まっている最低基準を下回る内容にはできません。たとえば、その地域の最低賃金を下回る賃金を取り決めたとしても、それは無効です。地域ごとの最低賃金額以上を支払わないと、法律違反になってしまうからです。

就業規則を作成するメリット

クリップについたmerit

就業規則を作成すると、会社として以下のようなメリットを得られます。

<就業規則を作成するメリット>

  • 労務トラブルから会社を守れる
  • ルールを決めることで、社員のモラルが向上する
  • 労務管理が明確になることで、社員に安心感を与えられる
  • 雇用保険に関する各種助成金を申請できるようになる

就業規則を明確に定めておけば、未然にトラブルを防ぐ手段になる、社員が働きやすくなるなど、会社にとって大きなメリットがあることがわかります。

就業規則がないとどのような問題が起こるのか?

就業規則を作成するのは面倒、なくても問題がないなら作る必要がないと考える方も多いでしょう。しかし、就業規則を作成しないと、さまざまなトラブルが発生する場合があります。

たとえば、サービス残業が常態化している場合、従業員から訴えられて、過去の残業代を請求される可能性もあります。しかし、労働時間や賃金について明確に定めておけば、そのような事態が起きることを防げるでしょう。また、就業規則が明確でない企業はブラック企業なのではないか?などと不信感が募り、いい人材が集まってこない可能性もあります。

このように、就業規則を作成しないと企業にとってデメリットが大きいため、作成することをオススメします。

就業規則を作成する流れ

就業規則とキーボード

就業規則を作成する場合、以下のような流れでおこないます。

<就業規則を作成する流れ>

  1.  社内で就業規則を作成する
  2.  就業規則を従業員に周知し、書面で意見書をもらう
  3.  就業規則と意見書を、労働基準監督署に届け出る

上記のとおり、就業規則を作成するだけでなく、社内での周知や労働基準監督署への届け出が必要です。これらの手続きをおこなわないと就業規則が無効になる可能性もあるので、注意しましょう。

就業規則に関する注意点

時計をもって人差し指を立てる男性

就業規則を作成し運用していく際の注意点についてご説明します。

就業規則を従業員に周知しなければ無効になる

就業規則は作成するだけでなく、従業員に適切に周知しなければなりません。従業員がいつでも見られる場所に掲示する、書面を交付する、データとして保存するなどの必要があります。

従業員への周知を怠った場合、就業規則自体が無効になる可能性もあるので、適切に周知をおこないましょう。

就業規則を変更する場合、従業員の同意が必要な場合がある

会社の業績が悪化したため給与を下げるなど、従業員にとって不利益な変更をおこなうケースを「不利益変更」といいます。

就業規則の不利益変更をおこなう場合、理由を従業員側に説明したうえで同意を得なければならないケースがあります。業績が悪化したからと会社側の都合で勝手に給与を下げられない場合もあるので、注意が必要です。

まとめ

この記事では、会社の就業規則とは何か、なぜ就業規則を作成するのか、就業規則作成の手順やルールについて解説しました。就業規則は、会社にとって非常に重要なものであることがわかっていただけたと思います。

しかし、就業規則を作るのが難しい、就業規則を作るノウハウがないとお困りの企業も多いのではないでしょうか?社労士事務所 Office Followでは、貴社の状況を細かくヒアリングしたうえで、就業規則の作成や変更を対応します。豊富なノウハウを活かして就業規則作成・変更をサポートいたしますので、ぜひお問い合わせください。