DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?DXの進め方やポイントについて解説!
近年、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉がよく聞かれるようになりました。DXとは一体何なのか、どのようにDXを進めていけばよいのかと疑問に思う方も多いでしょう。
この記事では、DXとは何か、DXがなぜ必要なのか、DX導入の流れやポイントについて解説します。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
DXとは企業がデジタル技術を用いて、業務改善、新たなビジネスモデルの創出、ビジネスの変革などをおこなうことを意味します。デジタル技術は進化を続けており、新たな技術のAIやIoT、ビッグデータの活用などが進んでいます。これらの技術を導入することで、ビジネスや組織そのものの変革をおこなうのがDXです。
激しく変化する時代のなかで企業競争を生き抜いていくために、DXの推進が必要とされています。
DXとIT化は何が違う?
DXとIT化は何が違うのか、その違いがわからないという方も多いと思います。
たとえば、従業員の給与管理のために給与振り込みシステムを導入した、販売管理の効率化のためにPOS管理システムを導入したなどは、単なるIT化でDXではありません。アナログな作業をデジタル化することをIT化といいますが、それだけではDXにはならないのです。デジタル技術を導入し、ビジネスの仕組みや組織を変革することがDXです。
POS管理システムを導入して販売作業を効率化させるだけでなく、仕入れや在庫管理も連動させると仕入れから販売までの業務が大きく変わります。販売データや仕入れデータを分析し販売戦略や仕入れ管理に活かすことで、より正確に経営判断ができるようになるでしょう。このように、デジタルの仕組みでビジネスを大きく変革し、業務の効率化や売り上げの向上につなげる動きがDXです。
2025年の崖問題とは?
企業はなぜDXを推進すべきなのかについては、経済産業省が2018年9月に発表したレポートで「2025年の崖」問題として説明しています。
経済産業省はレポートのなかで、DXを推進しないと2025年以降に現在の約3倍に上る年間最大12兆円もの損失が生まれると警告しました。その理由として、以下のような要因を挙げています。
<2025年の崖問題が起こる主な理由>
- 既存のシステムの老朽化、複雑化、ブラックボックス化が進み維持管理費が高額化する
- IT人材不足が2025年までに約43万人に拡大する
- デジタル競争に生き残れない企業が増える
参考資料:経済産業省の「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」
このままでは多くの企業が市場競争に生き残れない可能性があるため、DXを推進していく必要があるのです。
DX導入の流れ
企業がDXを導入する際に、どのように進めていけばよいのかをご説明します。
業務のデジタル化を進める
まずは、対応できるところから業務のデジタル化を進めます。たとえば、紙ベースで会計の帳簿をつけている場合は会計ソフトを導入する、バーコード決済を導入するなどです。デジタル化を進めることで、業務の効率化をおこないます。
効率化・デジタルデータの蓄積が進む
デジタル化を進めることで業務が効率化し、生産性が向上します。それだけでも大きなメリットですが、デジタル化のノウハウや分析しやすいデジタルデータが蓄積されていきます。
たとえば、会計ソフトに会社の帳簿データが蓄積されると、そのデータをもとに経営状況を分析できます。デジタルデータなら月次データ、年次データ、商品別データなどさまざまな観点で切りわけられるため、紙ベースのデータよりも分析しやすいのです。
デジタルの力でビジネスや組織を変える
デジタル化のノウハウやデジタルデータが蓄積されたら、それをもとにビジネスや組織を変えていくことが可能です。
たとえば、会計ソフトの帳簿データをもとに、売り上げ状況や仕入れ状況などを詳しく分析できます。商品の売れ筋や売れる時期を分析して販売戦略に活かしたり、仕入れの無駄を省いたりと、データを活用することが可能です。
このように、デジタル化によって得たノウハウやデータを新しいビジネスに活かすことで、ビジネスや組織を変革し企業活動を改善できるでしょう。
DX導入のポイント
DXを成功させるために重要な、DX導入のポイントについてご説明します。
目的を明確化する
DXを進めること自体が目的にならないように、何のためにDXを進めていくのかという目的を明確にします。そのためには、現状の業務フローやビジネスモデルの問題点や弱みを把握することで、どのように改善していくべきかを検討するのがよいでしょう。そのうえで、どのようにデジタル化を進めるべきかを考えてみてください。
無料のサービスをお試しで使ってみる
デジタル化を進める場合、最初から高額なシステムやソフトウェアなどを導入するのはオススメできません。高額な予算を費やして導入しても、使いづらかったり自社の業務フローに合わなかったりする場合もあります。
そのため、まずは無料サービスやお試し版などを一定期間試してみることをオススメします。使い勝手や得られる効果を実際に使ってみて試すことで、自社に合った製品を探してみてください。
専門家に相談する
ノウハウがない状態でいきなりDXを進めるのは困難なので、専門家によるサポートを受けることをオススメします。商工会議所などの公的な支援機関や企業のIT化、DXを扱う専門企業など、相談できる場所はいくつかあります。どのようなサポートを求めるかによって、適したところに相談してみてください。
まとめ
この記事では、DXとは何か、DXがなぜ必要なのか、DX導入の流れやポイントについて解説しました。単にIT化をおこなうだけではなく、ビジネスや組織そのものを変革することで、企業の競争力が大きく高まります。
しかし、デジタル化の推進やビジネスの変革などを自社だけでおこなうのは難しい、とお悩みの企業も多いと思います。社労士事務所 Office Followでは、給与計算や労務相談、人材育成などの人件費問題のコンサルティングをおこなっています。人事に関する問題にお悩みの方は、ぜひご相談ください。