2023年12月14日

労務管理とは?目的や業務内容、対応時の注意点について解説

パソコンで作業する様子

労務管理といってもさまざまな業務があり、対応すべきことは多いです。企業が適切な労務管理をおこなうためには就業規則の管理をはじめ、さまざまな業務をする必要があります。

この記事では、労務管理とは何か、業務の内容や労務管理をおこなううえでの注意点について解説します。

労務管理とは?

労務管理では、従業員の労働環境の整備や労働条件の管理、従業員の勤怠・給与管理などをおこないます。

具体的には、従業員の社会保険や福利厚生制度の加入手続き、勤怠管理や給与計算管理、就業規則の作成・変更・管理、職場環境の改善などです。ここでは、労務管理について詳しく見ていきましょう。

労務管理と人事管理の違い

労務管理は人事管理と何が違うのか?と疑問に思う人も多いでしょう。人事管理では、採用活動や従業員の評価、昇格・昇給管理などをおこないます。従業員の一人ひとりに対して業務をおこなうのが人事管理です。

一方労務管理は、会社全体の就業規則や労働条件に関する業務をおこないます。2つの管理業務の違いは、管理対象にあるといえます。ただ、よく似た業務なので、人事管理と労務管理をひとつの部署でおこなう企業も多いです。

労務管理をおこなう目的

労務管理をおこなう目的は、以下のとおりです。

<労務管理をおこなう目的>

  • 職場の生産性の向上
  • コンプライアンスを遵守することによるリスク回避

労働条件を改善し適切な給与管理などをおこなうことは、職場の生産性向上につながります。また、法令遵守や就業規則による管理の徹底によって、社内のトラブルによるリスクを回避することも重要な目的です。

労務管理に必要な業務

タブレットを見て話すビジネスマン

労務管理でおこなう業務内容についてご説明します。

就業規則の作成・変更・管理

企業の労務管理をおこなううえでもっとも重要なのが、就業規則の作成・変更・管理です。労働契約や給与管理などの労務管理全般に関する取り決めがされているのが、就業規則だからです。

就業規則には、必ず取り決めなければならない「絶対的必要記載事項」と、取り決めがある場合に記載する「相対的必要記載事項」があります。前者は、労働形態や労働時間、労働賃金、退職など、後者は退職金、賞与、安全衛生、職業訓練、災害補償などに関する取り決めです。

常時10人以上の従業員を雇用している企業には、就業規則の作成が義務付けられています。

労働契約の管理

従業員の賃金や雇用形態、対応業務などの労働契約の管理をおこないます。従業員の雇用時や昇進時、転勤時などのタイミングで労働条件が変わる場合は、適切に変更する必要があります。

勤怠管理・給与計算管理

勤怠管理とは、従業員の出退勤時間、休暇、遅刻・欠席などの管理をおこなう業務です。また、従業員の勤怠データを確認して、長時間労働をおこなっている従業員がいた場合は、是正の連絡やメンタルチェックなどの適切な対処をします。また、勤怠データをもとに従業員の給与計算管理もおこないます。

福利厚生の管理

企業の福利厚生制度には、法定福利である健康保険、雇用保険などの各種社会保険と、企業独自の育児支援や特別休暇などの法定外福利があります。

具体的には、各種社会保険の加入手続きや変更管理、各種福利厚生制度の整備や実施などをおこないます。

安全衛生・健康の管理

従業員の安全衛生管理や健康管理も、労務管理の大事な業務です。具体的には、健康診断の実施、記録、労働基準監督署への報告などをおこないます。また、従業員が50人以上いる企業では、1年ごとにストレスチェックをおこなうことが義務付けられています。

職場環境の改善

以下のような職場環境の改善をおこないます。

<職場環境の改善>

  • 長時間労働問題の対策
  • 従業員の健康と安全の確保
  • ハラスメント防止対策
  • 女性や高齢者などの活躍推進

会社が抱えている問題を認識し、対策をおこなうのも労務管理担当の重要な仕事です。

労務管理をおこなう際の注意点

POINTと書かれたブロック

労務管理をおこなう際の注意点をまとめたので、労務管理担当者の方はぜひ参考にしてみてください。

法律・法令の遵守

労務管理に関わる法律や法令は、労働基準法、労働組合法など数多くあります。これらの法律や法令を遵守することがとても重要です。

また、頻繁におこなわれる法律改正に対応する必要もあるので、常に法律や法令についてアンテナを張っておくことが大事です。

厳重な情報管理

労務管理においては、従業員の情報や企業の内部情報を厳重に管理する必要があります。従来の紙データによる保管ではなく、セキュリティ対策が万全な労務管理ツールによる管理がオススメです。効率よく労務管理ができ、情報漏洩などを防いで厳重に管理することも可能です。

改善意識をもつ

労働環境を改善していくためには、常に改善意識をもっている必要があります。長時間労働の是正、労働条件の適切な管理、ハラスメントの防止などを進めていくためには、高い改善意識が求められるでしょう。

まとめ

この記事では、労務管理とは何か、業務の内容や労務管理をおこなううえでの注意点について解説しました。労務管理でおこなわれる業務は幅広く、労働条件に関する法律・法令の知識や労務管理業務に関する知識が必要とされます。しかも、労務管理に深く関わる法律や法令は頻繁に改正されるため、常に最新の情報を得る必要もあります。

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